- シスコシステムズ株価概要
- 企業概要
- 業績推移(P/L)
- フリーキャッシュフロー(C/F)
- 貸借対照表(B/S)
- 主要指標
- 自社株買い
- 配当金推移
- 配当性向
- まとめ
- 最後に
- 銘柄分析記事一覧はこちらから
シスコシステムズ株価概要
● 約35年の長期株価推移ですが、基本的に、緩やかな右肩上がりです。
● 1999年~2000年までの、足掛け2年の「ドットコムバブル」時のみ、異常に株価が高騰しました。
(ただし、この2年間は、例外期間として、捉えていいでしょう。)
【株価推移「S&P500」との比較 】
【約35年の長期比較】
青・・・シスコ(CSCO)
黄・・・S&P500(VOO)
黄色が「S&P500」ですが、
青色の「シスコ」と比べれば、
非常に眠たい値動きです。
「シスコ」は、個別株なので、
「S&P500」のようなインデックスと比べ、
値動きの幅が、とても大きいことが分かります。
【約5年の中期比較】
約5年の中期で比較すると「シスコ」は「S&P500」に対し、アンダーパフォームしています。
2010年代以降「GAFAM」が「S&P500」を牽引しました。
ご存じの通り、この期間「GAFAM」を除く「S&P495」のリターンは「日経平均株価」と、ほぼ同じでした。
それゆえ「シスコ」が「S&P500」をアンダーパフォームしたのは、不思議ではないでしょう。
「VOO」「VYM」との、トータルリターン比較
【約10年のトータルリターン比較】
青・・・シスコ(CSCO)
赤・・・S&P500(VOO)
黄・・・高配当株ETF(VYM)
ポートフォリオ ビジュアライザーを使った、約10年、配当金込み、トータルリターンで比較です。
「CSCO」は、高配当銘柄です。
トータルリターン比較なので、高配当株ETFの「VYM」も、比較に入れました。
「S&P500」のリターンが、ややいいですが、私の感覚では、さほど変わらないという印象です。
① 安定的な株価上昇を狙うなら「VOO」
②「VOO」より高い株価上昇の可能性にかけるなら「CSCO」
③ 配当金を期待した安定的トータルリターンなら「VYM」
④「VYM」より高いトータルリターンの可能性にかけるなら「CSCO」
⑤ 傾向として「CSCO」は「VOO」や「VYM」に対し、リターンが劣る可能性の方が高い。
ぶっちゃけ、S&P500のETFや、高配当株ETFに投資している方が無難です。
ただし、個別株は、値動きの幅が大きいので、底値付近で買えれば、「VOO」や「VYM」より高いリターンが期待できます。
また、安定的な高配当も期待できます。
そこを、どう考えるかが投資判断の基準になるでしょう。
では、この「シスコ株」について、具体的にみていきましょう。
『世界最大のコンピューターネットワーク企業』
「シスコシステムズ⁉」
うち、見たことも
聞いた事もないなぁ~
『シスコ』は
12年連続増配中や!
今をときめく
「ITセクター」やげど
地味な銘柄や(^^;)
でも、安定感はあるで!
「S&P500」は、もちろん
「ダウ30銘柄」や
「ナスダック」の
組み入れ銘柄や!
企業概要
シスコ・システムズは、世界最王手のコンピューターネットワーク機器の開発、販売会社です。
具体的には、法人向けのスイッチ、ネット接続用ルーターが主力で、売上構成比は、下のグラフの通りです。
例えば、企業向けルーターについては、世界シェアトップで、シスコは参入障壁の高い企業と言えるでしょう。
ちなみに、日本での取引先は、日産、ソニー、日本生命、楽天、NTT、日立、など数多くあり、シスコの製品、システム、サービスは、それらの企業にとって不可欠になっています。
余談ですが、日本のシスコの平均年収は950万円を超え、40歳以上になると、年収1,000を超えることから、人気の高い就職先としても有名です。
(聞くところによると、かなりのホワイト企業のようです。)
【直近(2023.8.31時点)の概要】
● 株価・・・56.81ドル
● PER・・・18.49倍
● 配当利回り・・・2.75%
米国株の平均PERは、15~35倍で推移しているので、現状、割安とは言いにくいです。
配当利回り2.75%は、高配当としては、やや物足りません。
高配当株ETFの「VYM」や「HDV」の、組み入れ上位10銘柄に入っていません。
ポートフォリオを、より安定させるために、これらのETFと合わせ持つもの、選択肢の一つかもしれません。
個人的には、配当利回りが、3%以上で買い時と感じています。
株価も、現状53ドル位ですが、欲を言えば、45ドル付近まで下がった時に、買いたいです。
こんにちは!タクドラたみです♪
前置きが長くなりましたが、ここから本題です。
配当株銘柄分析のポイントは
・P/L・B/S・C/F
(財務三表)
・配当実績
・配当性向
などと言われています。
今回は、これらのポイントを押さえながら情報技術セクターの『シスコ システムズ株』について、分析していきます。
業績推移(P/L)
売上、利益の実績は、右肩上がり傾向です。
特に、営業利益がいいです。
フリーキャッシュフロー(C/F)
フリーキャッシュフローは、企業が自由に使える現金です。
注目したいのが、赤線の折れ線で示す「フリーキャッシュフロー」です。
営業CFが、緩やかな右肩上がり傾向の上で、フリーキャッシュフローも、緩やかな右肩上がりなので、好感度が高いです。
企業が自由に使えるフリーキャッシュフローが右肩上がり傾向で推移しているので、今後の増配を含め、配当金にとって楽しみな材料です。
貸借対照表(B/S)
流動負債が、流動資産を、多きく上回っています。
短期的な資金繰りの不安は、全くありません。
また純資産が40%以上あることからも、安心感が高いです。
主要指標
妥当株価が約60ドルに対し、現在の株価は約56ドルです。
現状、あまり、割安感はありません。
この手の銘柄は、バリュー株投資向けと思われます。
運が良ければ、年に1回、また、数年に1度くらい、株価が下がるかもしれません。
狙っている、株価や、配当利回りになるまで待ち続け、タイミングで購入するタイプでしょう。
タイミングが来なければ、買わなければいいだけです。
投資に見逃し三振はない
【直近1年の株価推移】
直近1年、約45ドル付近が2度ありました。
現在の株価より約20%安いです。
こういったタイミングを辛抱強く待てるかどうかが重要でしょう。
私は、昨年の後半にから購入し始めました。
底値では拾えてませんが、平均取得単価46ドルくらいです。
「辛抱強さ」や「冷静さ」は、
知能指数よりも重要かもしれないと、
私は思っています。
【ROE・PBR】
次に、注目したいのは、ROE、PBR、です。
【ROE:29.98%(2023.7)】
ROE(自己資本利益率)は、経営の収益効率性を見る指標です。
一般的に、ROEが10%を超えていると優良企業と言われ、20%を超えると超優良企業と言われます。
コンスタントに20%後半で推移しています。
安定感が高いです。
【PBR:5.3倍(2023.9)】
PBR(株価純資産倍率)は、株価が企業価値の何倍で取引されているかの指標です。
PBRは、1倍以下で割安と言われています。
PBRも、5%前後で推移しています。
こちらも、安定感が高いでが、やや割高な感じです。
ROE、PBR、PERの側面から、日本経済新聞のデータでは、今後、ROE、PBRともに、やや下がる予想です。
しかし、予想は、あくまでも予想で、未来は不確実です。
今後も動向を、しっかり注視していく必要があります。
自社株買い
株価は、PER × EPS(1株当たり利益) で求められます。
自社株買いは、株式数を減らすことで、1株当たりの利益(EPS)を上昇させます。
株価を上昇させることで、株主還元をするのが自社株買いです。
下の水色の棒グラフは、約15年の発行済み株式数の推移です。
この表から、シスコは、直近、積極的な自社株買いを行っていないことが分かります。
積極的な自社株買いを行っていなく、財務的な余力を残している点は、投資家にとっても好感度が高いです。
米国は、自社株のし過ぎで、債務超過になっている企業がゴロゴロしています。
配当金推移
直近配当利回り、2.75%
【直近10年の配当金実績】
上の棒グラフで分かる通り、増配は継続していますが、
増配ペースは低下しています。
下の時系列の表を見ると、地味な増配推移がよく分かります。
シスコは、2011年から配当金を出し始め、12年連続増配中です!
自社株買いだけでなく、配当も、ムリなく行っているので、増配は控えめです。
そもそも、コンピューターのルーターなどが、爆発的に売れるとは考えにくいです。
売上や利益面を考慮すれば、妥当と思われます。
現状のペースなら、10年後は、現在の配当金の1.25倍、
20年後は1.5倍になりますが、皮算用です。
配当性向
配当性向とは、税引後の当期純利益のうち、何パーセント配当金に回したのかを示す指標です。
配当性向は約50%で、可もなく、不可もなくといった感じです。
配当性向も、フツーな感じで地味ですが、安心感は高いです。
まとめ
シスコシステムズは、今をときめく情報技術(IT)セクター。
ですが、アップル、マイクロソフト、エヌビディアのような目立った感じのない地味な銘柄。
地味がゆえに、安定感が高く、長期保有しやすい銘柄。
配当金など株主還元を、余力を残しながら、安定的に行っている、財務健全性の高い企業。
2023年9月時点で、年初来、株価は約20%上昇しているが、
直近5年、株価は約23%しか上昇していません。
高値掴みをすると、なかなかキツイです。
投資タイミングには、注意が必要。
最後に
・最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
・この記事は『シスコ システムズ』の情報を一部切り取ったのみで、事業内容について、ほぼ触れていません。
投資判断をするには、あまりにも情報が少な過ぎます。
また、私のバイアスも、かかっています。
その点、ご了承ください。
・今後も、大型の配当株中心に、なるべくセクターを分散し、リライトしながら更新していく予定です。
・ご意見、質問、ご要望、感想、そして批評(酷評歓迎です)などあれば、コメントお願いします。
・投資スタイルは、人によって千差万別です。少しでも、参考になれば嬉しいです。
【米国株投資の、必須、証券口座】
● 「銘柄スカウター」など、業界ナンバーワンの分析ツール!
売買取引をしなくても「銘柄スカウター」を使うために、無料で口座開設する人は多いです!
この記事でも、多数、引用しました。
最近、色々な銘柄分析ツールが出てきましたが、現状、マネックス証券の「銘柄スカウター」が、最も分かりやすく、深く分析できるツールでしょう。
【Twitterもしています】
タクドラたみ@米国株などで老後資金2,000万円に挑戦中 (@DanntiTami) | Twitter
【株式投資家の必読本】
ウォーレン・バフェット氏が読み返しているという名著!
銘柄分析記事一覧はこちらから