(最終更新日:2023.4.18)
(初回作成日:2022.8.1)
分配金利回り2.68%
長期で株価の上昇も狙える
米国高配当株ETF『VYM』
【『VYM』株価推移】
【『VYM』分配金推移】
『VYM』は組成以来、約17年で、株価が2倍以上!
1株当たりの分配金も、増配により10年で2倍以上!
分配金と株価の値上がりの両方を狙えます!!
① 『VYM』は、米国の約400社に分散投資しているETF。
② 経費率が0.06%と格安。
③ 高配当ETFながら、値上がり益も狙える。
『VYM』の概要
3大資産運用会社の「バンガード」が運用する
「バンガード・高配当株式ETF」
(Vanguard High Dividend Yield ETF)
ティッカーシンボル『VYM』。
Dividend(ディビデント)とは、配当という意味で、
Yield(イールド)とは、収益や利回りと直訳されます。
世界三大資産運用会社は、バンガード、ブラックロック、ステートストリートです。
それぞれ、高配当株ETFを運用していますが、
運用開始は『VYM』が最も古いです。
とは言っても、まだ20年も運用されていませんが…。
バンガード『VYM』
・・・2006年11月
ブラックロック『HDV』
・・・2011年3月
ステートストリート『SPYD』
・・・2015年10月
【ファンドの規模】
2023年3月末、米国ETF運用資産残高ランキング25位。
(運用資産残高:46,771億円)
基本情報
【2023年4月16日時点】
・基準価格:107.7ドル
・直近配当利回り:2.68%
・経費率:0.06%
上位組み入れ銘柄
私自身、個別株投資で8銘柄保有しています。
セクター別構成比率
配当利回りが比較的高いセクターが、上位を占めています。
市場の暴落時の下落が比較的少ない「ヘルスケア」と「生活必需品」が上位なので、精神的に長期保有しやすいです。
「金融」は景気敏感セクターと言われていますが、比較的配当金の高いセクターです。
しかし『VYM』は、時価総額の高い銘柄ほど多く組み入れているので、個人的には株価が下がっても、さほど気にする必要はないと考えています。
売却しなければ、分配金をもらい続けるだけの話しです。
トータル・リターン
直近1年は、エネルギーセクターの組み入れ比率の高い『HDV』のリターンが最も良かったです。
しかし、期間を長くすると、下のチャートが、分かりやすいですが『VYM』のリターンが、最もいいです。
【約8年のトータルリターン比較チャート】
青・・・バンガード「VYM」
赤・・・ブラックロック「HDV」
黄・・・ステートストリート「SPYD」
【S&P500「VOO」とのトータルリターン比較】
「青の線が S&P500(VOO)」
「赤の線が VYM」
この実績をどう捉えるかは、人それぞれでしょう。
個人的には、トータルリターンは、さほど差がないと感じてます。
私は、リターンも大切ですが、値動きの大きさによる精神的影響も重要と考えています。
人は合理的に物事を判断する力を持っていますが、
合理的な判断より、感情による判断を優先する側面も持っているからです。
「VYM」は「VOO」より値動きの幅は小さい傾向です。
その側面からは、投資を継続しやすいのは「VYM」と見ることもできます。
「投資は継続してなんぼ!」という側面が大きいです。
「VYM」は「VOO」より、精神的に保有し続けやすいかもしれません。
【トータルリターンについて】
景気のいい時は「S&P500」の上昇力は高いです。
一方「S&P500」は「VYM」に対し、下落時は大きく下げます。
そのような傾向はありますが、過去の実績から、超長期で保有するなら「S&P500」の方が、大きなリターンが期待できると思います。
【資産の取り崩しについて】
「VOO」の分配金は、比較的少ないです。
そのため、自らの判断で株式を売却する必要があります。
それゆえ感情的にストレスを感じやすいです。
一方「VYM」は、分配金による株式の強制売却です。
強制売却は、自らで判断する余地がないので、精神的には非常に楽です。
「VYM」のメリット・デメリット
「VYM」のメリット
① 個別株の銘柄分析の時間がない人や、銘柄分析が苦手な人も投資しやすい。
② 経費率が0.06%で超安い。
① 銘柄分析
高配当株と言えど、個別株投資の場合は、分散投資で、最低でも10~15銘柄位、保有するのが鉄則です。
しかし、それを、個人で保有し、管理するのは、簡単なことではありません。
その点、VYMは、約400銘柄に、幅広く分散投資されているのが嬉しいです。
また、自動的に、芳しくない銘柄をファンドから外したり、いい銘柄があれば組み入れてくれ、至れり尽くせりです。
したがって、日々の生活で、銘柄分析の時間が作れなかったり、また、銘柄分析が苦手であっても、比較的、安心して投資しやすいと思います。
② 経費率が0.06%で超安い
経費率0.06%とは、10万円投資しても、年間たったの60円です。
自分で、銘柄分析する手間暇を考えると、驚きの価格だと思います!!
経費率は重要です。
株式投資の年平均リターンは、3~5%とも言われています。
2%とか3%とかの経費(コスト)が抜かれたら、いくらも、運用益は残りません。
場合によっては、運用益がプラスなのに、コストを引かれることで、マイナスのリターンになることもあります。
「VYM」のデメリット
① 配当利回りが、他の高配当ETFより低い。
② 値上がり益が「VOO」より少ない。
① 配当利回りが、他の高配当ETFより低い。
代表的な米国株高配当ETF「VYM」「HDV」「SPYD」の比較です。
「VYM」「HDV」「SPYD」の3つの、代表的な米国株高配当ETFの比較です。
直近10年程、米国株が好調だったこともあり「VYM」の、3%を下回って入り分配利回りは、高いとは言いにくいです。
「VYM」の購入タイミングとして、個人的には、少なくても分配利回りが3%以上の時と考えています。
また分配金に、現地課税10%と、国内課税20%の二重課税が課せられるので、受取額は、さらに下がります。
2024年以降は、可能な限り「新NISA」で運用したいものです。
② 値上がり益が「VOO」より少ない。
高配当株の企業の特徴は、これからグングン拡大成長する企業ではなく、成熟企業が多いです。
そのため、企業の利益をどんどん新規事業などに投資するのではなく、配当金として株主に、より多く利益還元しようとする傾向があります。
それ故「VOO」程の、株価の値上がり益は期待できないでしょう。
【補足】
『VYM』は、高配当個別株より分配金利回りが少なくなるかもしれませんが、リスクが分散されています。
株価の変動を、あまり気にしたくないのであれば、高配当個別株より、投資しやすいと思います。
まとめ
① 米国高配当ETF「VYM」は、高配当株投資初心者や、個別株の銘柄分析の時間を少なくしたい人向き。
② 「VYM」高配当ETFなので、市場全体に投資する「VOO」のようなインデックス・ファンドには、超長期的なリターンは劣る傾向。
③ 「VOO」など「S&P500」インデックス・ファンドと比較すると、株価の変動は少ない傾向。
④ 「VYM」は、安定的な配当金(分配金)が、そこそこ狙える、コストが格安なETF。
最後に
・最後まで読んで下さり、本当にありがとうございます。
・今後も、内容を最新のものにアップデートしながら、リライトし更新する予定です。
・投資スタイルは、人によって千差万別。この記事が、少しでも参考になれば嬉しいです。
・質問、感想、ご意見、ご要望、そして、批評(酷評歓迎です)などあれば、コメントお願い致します。
【参考記事】
【米国高配当株ETF】『VYM』『HDV』『SPYD』実績比較(2023年4月版)
【Twitterもしています】
タクドラたみ@米国株などで老後資金2,000万円に挑戦中 (@DanntiTami) | Twitter
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