・GDP・・・右肩上がり
・失業率・・・許容範囲
・インフレ率・・・許容範囲
・経常収支・・・赤字
・外貨準備高・・・備え十分
➡ インド株投資は的確
こんにちは!タクドラたみです♪
今回は、約1年ぶりに、注目のインド株投資について、約10年位の長期投資を前提とし、5つの指標を元に分析していきます。
昨年の2023年、インドの人口は中国を抜き世界一になりました。
そんな中、インド株投資は、今、人気が高くなっています。
投資信託でも、インドに投資する新しいファンドが、どんどん出てきています。
私自身、5年程前から、インド株ETFの『EPI - WisdomTree インド株収益ファンド』に投資し、昨年からは、投資信託での積立投資もしています。
2024年3月 インド・ベトナム・インドネシア【新NISA対応投資信託】積立投資実績
インドを含め、新興国株投資をする際、人口増加率や、人口動態、その国の賃金の安さを目安にすることも多いようです。
もちろん、それらの要素は、軽視できませんが、実のところ、それらの要素は、株価上昇には、直接関係ないとも言われています。
上の人口推移を見ると、インドの人口は、きれいな右肩上がりで上昇しています。
しかし、下に添付した、代表的なインド株ETF『EPI』のチャートは、近年、上昇傾向ですが、長期にわたりボックス相場で推移していました。
※ 参考のため、S&P500『VOO(米国株)』と比較しました。
青・・・『EPI(インド株)』
黄・・・『VOO(米国株)』
このチャートから、人口の増加は、株価上昇の、直接的な要因ではなさそうです。
では、なぜ、インドに投資妙味があるのでしょうか?
インドが投資対象国として、適格かどうかを新興国株投資で重要な5つの指標で確認していきましょう。
・GDP
・失業率
・インフレ率
・経常収支
・外貨準備高
① GDP
【過去約40年のGDP成長率推移】
GDP成長率は、コロナショック時、一時的にマイナスになりしたが、下のチャートの通り、ザックリ年間約7%(4~9%)ほどの高い上昇で推移しています。
【過去約40年のGDP推移】
上のチャートで分かる通り、インドは、高い成長率で推移してきましたが、その結果、下に添付したGDPのチャートも大きく上昇しています。
経済が急速に成長する国は、かつて高度経済成長期の日本がそうであったように、インフレが加速します。
その結果、通貨安になる傾向があります。
その兼ね合いもあり、インドの通貨ルピーでの推移では、分かりにくいので、基軸通貨である「米ドル」でのチャートを添付しました。
【一人当たりの名目GDP(USドル)の推移】
GDPが上昇したとは言え、一人当たりの生産性が上がっていなければ、国民の収入、そして、購買力の上昇につながらず、強い国内経済成長に結びつきません。
そこで、一人当たりのGDP推移を確認します。
こちらも、米ドルでのチャートを引用しました。
一人当たりのGDPは= GDP ÷ 人口 で求められます。
2023年時点では、約2,600ドルまで上昇しています。
いずれ、3,000ドルも、突破してくるでしょう。
一般的に、1人当たりのGDPが3,000ドルを超えると、国民の生活にゆとりが生まれ、冷蔵庫、洗濯機などの、家電製品である、耐久消費財の売れ行きが加速すると言われています。
また、紙おむつなど、便利で快適な日用品も売れ始めます。
今後、さらに、1人当たりのGDPが上昇してくると、クーラーやマイカーといった、より高額な商品が売れるようになってきます。
このことから、インドの国内市場は、人口増加ペース以上に拡大し、内需拡大が、さらに進むでしょう。
② 失業率
失業率が増加すると、国民の収入減につながり、国内経済が停滞する要因になります。
【直近 約5年の失業率】
2020年のコロナショック時、一時的に、失業率は上昇しましたが、その後、安定的に6~8%くらいで推移しています。
2~3%で推移している日本と比べると、高いように感じますが、日本の場合、生涯雇用の習慣が残っていることや、労働者を簡単に解雇できないシステムがあり、単純に比較はできないでしょう。
インドの、6~8%くらいは、雇用は安定し、正常な範囲で推移していると考えるのが妥当で、現状の失業率は問題ないでしょう。
③ インフレ率
【直近10年のインフレ率】
直近のインフレ率は、5~6%台で推移しています。
現在の日本からすれば、高いインフレ率のように感じますが、日本はデフレが長く続いてしまっていたので、そう感じるのも否めません。
しかし、経済発展が加速している国のインフレ率は高くなる傾向です。
その側面で捉えれば、インドの経済成長は急速に進んでいると言えるでしょう。
また、下のチャートから、インドの政策金利が6.5%で止まっていることも考慮すれば、実質的なインフレ率は、正常な範囲と考えられます。
④ 経常収支
【過去10年の経常収支】
上のグラフから分かるように、コロナショックで貿易がストップした時以外、インドは、万年、貿易赤字です。
ポジティブに考えれば、インドの人々が豊かになり、海外の製品を買う力が向上していると言えます。
しかし、貿易赤字は、インドの通貨であるルピーが、海外に流出していることを意味します。
通常、自国通貨の海外流出は、通貨安を招き、国内経済の不安材料になります。
自国の通貨安を防ぐためには、外貨準備金を使い、自国通貨を買う手段をとります。
そこで気にすべきは、外貨準備高の推移です。
⑤ 外貨準備高
【過去25年の外貨準備高】
インドの外貨準備高は順調に増えています。
このことから、通貨を買い支える外貨は、順調に増加しているので、問題ないと考えられます。
通貨安が深刻で、外貨準備高が急激に減少していると、その国の株価指数(インドの代表的な指数である「Nifty50」や「SENSEEX」)が上昇していても、日本円に換算した場合、下落するので投資対象国にはなりません。
しかも、現状、下のチャートの通り、日本円よりインドルピーの方が強く、日本からの投資では、為替差益の恩恵も受けています。
【直近5年 インドルピー円チャート】
まとめ
・GDP成長率・・・右肩上がり
・失業率・・・許容範囲
・インフレ率・・・許容範囲
・経常収支・・・赤字
・外貨準備高・・・備え十分
➡ インド株投資は的確
インド株の検証で用いた5つの指標は、その他の新興国などについても、同様の考え方で使えます。
しかし、インド株含め、新興国株投資は、これらの要素のみで判断できません。
政治的リスクや、戦争などの地政学的リスクなど、最新の国際情勢も考慮し、総合的に判断する必要があります。
最後に
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
この記事で、私はインド株投資が適格と判断していますが、実際の投資判断は、その他の要素も必要です。
その点、ご了承ください。
ご意見、質問、ご要望、感想、そして批評(酷評歓迎です)など、コメントお願いします。
【過去の参考記事】
● 『新興国株投資の5つの罠(これを知らずに新興国に投資するのは危険!)』
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