新興国株投資5つの罠
① 人口増加、GDP成長は、株価上昇に直結しない
② インフレリスク
③ カントリーリスク
④ 期待負けリスク
⑤ 市場規模のリスク
こんにちは!タクドラたみです♪
「GAFAM」が「S&P500」を牽引する時代が終わり、今後10年くらい米国株が、低迷する予測を、頻繁に見るようになってきました。
そんな中、世界中の投資家は、次の投資先を模索しています。
その投資先として有力視されている一つは、大きなリターンが期待できる新興国です。
なぜなら、これから先10年くらい、新興国株は、米国株を、アウトパフォームすることが、予測されているからです。
しかし、新興国投資を、ノリでしたり、
勉強や、情報収集は、めんどくさい、
よく分からないけど、お金は儲けたい。
そんな、甘い考えであれば
「すみません」。
新興国に投資しない方がいいです。
もし、時流に乗り、サテライト投資で、新興国株投資をするなら、基本中の基本で、当たり前の、最低条件として、この記事の『5つの罠』を理解してください。
冒頭から、厳しい文面で「本当に申し訳ございません」。
しかし、私は、今後も「新興国株投資」の記事を書いていきます。
それゆえ、今回の記事は、是非、書かせてください。
①人口増加、GDP成長は、新興国の株価上昇に直結しない
下のチャートは、各国(地域)の、人口推移です。
アフリカ、インド、東南アジアの、人口増加率が高いことが分かります。
下のチャートは、
青の線が「VWO」で、新興国株式インデックスETFです。
黄色の線が「VOO」で、米国を代表する500社のインデックスETFです。
米国株は、いい感じに上昇しています。
一方、人口増加率の高い、新興国の株価は、長期的に上昇している感じが、見られません。
つまり、新興国株投資は、超長期の資産形成に、あまり適していません。
むしろ、中短期的に、値動き幅が大きいことを利用し「うねり取り」の手法で、下値付近で買い、上値付近で売り、その利ざやで利益を上げる投資に向いています。
因みに、人口増加や、国全体のGDPを見るより「国民一人当たりのGDP成長率」を、見る方が、株式投資には有効です。
なぜなら「国民一人当たりのGDP」の成長は、国内消費の上昇に繋がり、それが、企業収益を向上させ、株価上昇に繋がるからです。
②インフレリスク
インフレは、お金の価値が下がることです。
仮に、投資先の国の、株価が2倍になっても、その国の通貨の価値が半分になってしまうと、相殺され、株価上昇の恩恵は消えてしまいます。
下のチャートは、厳密に言うと、比較する指標は異なりますが、
・青の線が、現地通貨(トルコリラ)建てで、トルコの代表的な100銘柄で構成されている、「XU100(イスタンブール100種指数)」。
・黄色の線が、私も投資している、米ドル建てトルコ株ETF「TUR」(MSCI トルコ・インベスタブル・マーケット・インデックス)。
・水色の線が、トルコリラ/米ドルのチャートです。
要は、
・青の線・・・トルコリラ建て株価
・黄色の線・・・米ドル建て株価
・水色の線・・・トルコリラ/米ドル
です。
直近5年の比較ですが、現地通貨建て「XU100」の推移は、328%と驚異的な上昇率です。
しかし、米ドル建て「TUR(トルコ株ETF)」は、17%下落しました。
これは、トルコリラが米ドルに対し、安くなった影響などが要因です。
私たちの、身近なケースの場合「S&P500」が、いくらか、上昇したにもかかわらず、ドル安円高になった際、私たちの証券口座の円建て資産は減少します。
つまり、インフレリスクとは、株価の上昇が、現地の通貨安により相殺されてしまうことです。
さらに、日本円に換算した場合、株価が上昇しているにもかかわらず、資産が減ってしまうことがあるのです。
とは言え、株価上昇と現地通貨高が同時に発生する、嬉しい場合もあります。
しかし、基本的に、かつての日本がそうであったように、経済が急成長する国は、インフレ率も高くなる傾向が強いです。
③カントリーリスク
カントリーリスクとは、投資する国などの、政治的なリスクや、地政学的リスクです。
例えば、中国の大型株50銘柄で構成されているETF「FXI」の場合です。
2022年(昨年)秋頃、中国当局のテック企業の締め出しや、0コロナ政策でのロックダウン、そして、習近平氏が異例の3期目に突入したことで、株価を大きく下げました。
地政学的リスクは、ロシア株ETFが、ウクライナ侵攻に伴い、取引停止になりました。
仮に、今後、そうならない事を願っていますが、中国の、台湾侵攻懸念が高まれば、株安と、通貨安になるでしょう。
さらに、戦争になれば、中国株の取引停止の可能性は高いでしょう。
④期待負けリスク
そもそも、新興国は、人口増加や、GDP成長の伸びしろが大きいため、今後の期待値が高いです。
今の株価には、すでに、その期待値も反映されているので、期待以上の成長がないと、株価は上昇しにくいです。
さらに言うと、期待以下の成長しかなければ、その国の経済が成長していたとしても、株価は下がる可能性があります。
株価は PER × EPS で決まります。
簡単に言うなら、期待値 × 利益 です。
仮に、ある国の期待値が100で、利益が100だったとします。
この場合、株価は、100 × 100 で、10,000です。
しかし、利益が30%上昇しても、期待値が50に下がれば、
株価は、50 ×130 で、6,500になり、大暴落です。
⑤市場規模のリスク
新興国は、一つ一つの国の市場規模が、小さいです。
例えば「オルカン」で、お馴染みの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の場合、下の図の通りです。
新興国の比率は、約10%程しかありません。
中国でさえ、約3%程です。
仮に、本格的な新興国株ブームが発生し、世界の投資マネーが、市場規模の小さな国に集まると、株価は急騰します。
しかし、ひとたび投資マネーが、流出し始めると、株価は急落します。
まとめ
最後に、もう一度「新興国株投資5つの罠」を確認しましょう。
新興国株投資5つの罠
① 人口増加、GDP成長は、株価上昇に直結しない
② インフレリスク
③ カントリーリスク
④ 期待負けリスク
⑤ 市場規模のリスク
最後に
・今回も、最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
・これからも、資本主義社会の恩恵を受けられるよう、一緒に勉強していきましょう!
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・投資スタイルは、人によって千差万別。この記事が、少しでも参考になれば嬉しいです。
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(作成日2023.1.10)(更新日2023.3.23)