こんにちは!タクドラたみです♪
以前の記事で、世界の工場が、中国からインドへシフトしつつある事を、説明しました。
『インド株が魅力的投資対象の理由①「世界の工場は中国からインドへ」』 - 『タクドラたみ』
今回は、その後編として、インド国内の状況に、目を向けたいと思います。
人口増加やGDPの成長は、株価上昇の直接的要因ではない!
私たちが、インド株で儲けるには、インド株が上昇する必要があります。
2024年の今年、インドの人口は中国を抜き、世界一になる見込みです。
「だから、インド株が上昇する!」
と言う人もいますが、
「すみません。それは、正解ではありません。」
人口世界一は、直接、株価を上昇させる要因になりません。
「GDP(国内総生産)が上がれば、株価は上昇する!」
という人もいますが、
「これも、正しくありません。」
仮に、年間で、国民一人一人が作り上げる、財やサービスの量が同じであれば、人口が増えた分だけ、GDPは上昇します。
株価を決めるのは、PER × EPS です。
PERや、EPSの上昇が、株価を引き上げる要因です。
人口の増加やGDPの成長は、株価上昇の直接的な要因ではありません。
インド全体の株価を上昇させるのは、インド企業の、期待値と利益が上昇する必要があります。
では、インド企業の期待値と利益を上昇させるには、どんな要素が必要なのでしょうか?
インドの1人当たりのGDP
インド株の上昇要因は、ファンダメンタルズ分析で、大きなウエイトを占めるのが「国民1人当たりのGDP成長率」です。
1人当たりの生産額を急速に増やすには、国の政策や、大量の設備投資などが必要です。
例えば、生産性を向上させるためには、大きな工場を作ったり、道路などのインフラ整備をします。
生産性の高い工場のモノ作りは、労働者の生産性を向上させます。
道路などのインフラ整備は、物流をスムーズにし、生産性を向上させます。
また、大きな工場や道路の整備では、多くの雇用を生みます。
多くの雇用を生むことは、失業者を減らし、生産性の向上と掛け合わさり、労働者の収入を増やし、中間所得層を増加させます。
中間所得層の増加により、国民の可処分所得は増加します。
つまり、自由に使えるお金が増えていくことで、国内の消費額が増加し、それは、企業収益の向上に繋がります。
企業収益の向上は、株価を上昇させる「EPS」を上昇させます。
今の、インドは、この「EPS」を上昇させる土台が、育ってきているため、株価を上昇させるもう一つの要因である「PER(期待値)」が、上昇しやすく、株価上昇が見込めるという理屈になるのです。
このような、経済成長の道筋を作っているのは「モディノミクス」です。
では「モディノミクス」とは、一体、どういうものなのでしょうか?
モディノミクス(政府の方針)
インドは、世界大戦後、独立を勝ち取りました。
独立の父ガンジーや、初代首相ネルーは、多数派のヒンドゥー教徒だけではなく、イスラム教徒やキリスト教徒といった、少数派の立場も尊重する立場を取っていました。
しかし、1991年の冷戦終結ころから、社会の潮流が変化し、多数派のヒンドゥー教の勢いが増してきました。
この流れはさらに顕著になり、2014年に、現職のモディ首相が政権を握ると、強権的に、経済自由化と、ヒンドゥー教徒の多数派主義を、推し進めました。
成長至上主義のモディ首相の経済政策(モディノミクス)は「アベノミクス3本の矢」のような明確なものはありませんが、
「メイク・イン・インディア」と呼ばれる、政府主導の国家プログラムでの、製造業の再生、衛生環境の改善、職能育成事業などが、その柱です。
また、外資を誘致し、高速道路や鉄道などのインフラ整備や、国内の所得水準を引き上げも盛り込まれました。
製造業やインフラ事業の強化に必要な、インドの労働生産人口は、2050年頃まで増加する見通しです。
今のインド環境は、1950年代から70年代にかけて日本が経験した、高度経済成長と似た状態にあり、
そして、インドは、約6%程の大幅な経済成長が続く見通しがあることから、
今後もインドの成長は期待できます。
【インドの経済成長率(米国との比較)】
これらの政策の成果は、国民から評価され、2019年には選挙でモディ首相は再選し、今後も経済成長が継続する期待されています。
国の経済成長に、政治の影響が、大きいことは言うまでもありません。
この政治の流れが、当面、続くと考えられていることは、インド株投資が魅力的な大きな要素です。
ただし、インドの経済も、資本主義経済がゆえに、いずれ、バブルを引き起こし、弾けてしまうリスクがあります。
しかし、インド株投資も、新興国株投資の枠内です。
米国株投資と異なり、ブームに乗り資産の最大化を目指す、サテライト投資の中で行うものと、私は考えています。
アクティブ投資なので、時期が来れば、売却するのがいいと思います。
また、イスラム国家である隣国パキスタンとの非友好的な関係や、イスラム教徒迫害問題は、将来インド株投資においてリスクになり得る可能性が、少なからずあります。
世界平和の観点から、インド国内外の宗教対立は、大きな課題です。
しかし、10年~20年単位での投資の場合、インドは、ヒンドゥー教徒が、圧倒的な多数派のため、それほど、大きなリスクにはならないでしょう。
最後に
・今回も、最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。
・これからも、資本主義社会の恩恵を受けられるよう、一緒に勉強していきましょう!
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・投資スタイルは、人によって千差万別。この記事が、少しでも参考になれば嬉しいです。