・「HDV」は、好調なエネルギーセクターに支えられ、年初来「S&P500」や「VYM」「SPYD」に比べ、株価推移は良い。
・昨年は、通期で減配し、今年も、3月、6月と、減配し、分配金は悪化傾向。
こんにちは!タクドラたみです♪
米国の代表的な高配当ETFの3つは「VYM」「HDV」「SPYD」です。
今回は、その一つである『HDV』を、現状を踏まえながら、紹介していきます。
・「VYM」については、下の記事で紹介しています。
米国高配当ETF『VYM』(2022年8月版) - 『タクドラたみ』
・「SPYD」についても、今後、その時の現状を踏まえながら、紹介していきたいと思います。
・「HDV」は、米国の財務優良企業の内、配当利回りの高い約75社に分散投資しているETF。
・「HDV」の、組み入れ銘柄数は75社と「VYM」の約400社に対し、少なく、年4回の組み入れ銘柄の変更(リバランス)は、多い傾向。
・経費率が0.08%と格安。
・高配当ETFながら、増配とキャピタルゲイン(値上がり益)が期待できる。
『HDV』の概要
世界3大資産運用会社の「ブラックロック」が運用する
「iシェアーズ・高配当株式ETF」
(iShares Core High Dividend ETF)
ティッカーシンボルは『HDV』です。
「iシェアーズ」は、ブラックロック社のETF(上場投資信託)のブランド名です。
ちなみに、Dividend(ディビデント)とは、配当という意味です。
【低コストの理由】
2022年6月末、米国ETF運用資産残高ランキング94位。
(運用資産残高:12,787億円)
日本の投資信託資産総額1位のファンドが、18,672億円なので、米国ETFの規模の大きさが分かります。
そして、世界最大の資産運用会社である「ブラックロック社」の、資産規模だからこそ「HDV」は「0.08%」という超低コストが実現できるのです。
1つのETFに多く人が投資すると、1人当たりのコストが安くなるのは、1人でタクシーに乗るより、4人で乗る方が、1人当たりの運賃が安くなるのと、同じ理屈ですね!
直近情報
(2022年8月11日時点)
・基準価格:103.62ドル
・配当利回り:2.20%
(Bloomberg より引用)
上位組み入れ銘柄
上位組み入れ10銘柄は、上記の通りです。
タクドラたみ自身、昨日、メルクを売却したので1銘柄減りましたが、この内、個別株で6銘柄保有しています。
セクター別構成比率
「ヘルスケア」「エネルギー」「生活必需品」が上位3セクターから、不況時に強いディフェンシブ・セクターの割合が多いことが分かります。
したがって、現状の景気後退から、不況局面では「VYM」や「SPYD」に対し、パフォーマンスが最もいいです。
トータル・リターン比較は、以下の通りです。
直近は、好調の「エクソンモービル」や「シェブロン」の、エネルギーセクターの比率が高いので、パフォーマンスが最もいいですが、エネルギーセクターのリターンが下がると「HDV」のリターンは下がる傾向です。
つまり「HDV」は、景気後退局面から不況局面に強いETFなのです!
個人的に「HDV」は、今、割高感があるので、買い時ではないと思います。
株価推移(VYM・SPYD・S&P500との比較)
【年初来】
・青の線「HDV」
・オレンジの線「VYM」
・水色の線「SPYD」
・カキ色「S&P500」
● 年初来3つの高配当ETFは、全て「S&P500」を上回っています。
● 高配当ETFは、基本ディフェンシブ銘柄が多いので、GAFAMなど、グロース株を多く含む、時価総額加重平均型でグロース株の多い「S&P500」は、景気後退に弱いからです。
● その中でも「HDV」が、株価は、最もいいです。
● エネルギーセクターの株価上昇の恩恵です。
【直近5年】
※SPYDが設定されて、まだ7年弱なので、10年ではなく、5年の比較になりました。
・青の線「HDV」
・オレンジの線「VYM」
・水色の線「SPYD」
・カキ色「S&P500」
● 直近5年では「S&P500」が高配当株に圧勝しています。
● 直近10年は、GAFAMなど、グロース株が強く、エネルギーセクターなど、ディフェンシブ銘柄が苦戦していたのが要因です。
● 配当金を狙う投資や、保有株の値動きを小さく抑えられるのが、高配当株の強みですが、超長期で、資産の最大化を目指すのであれば「S&P500」のような、インデックス投資の方がいいと思います。
「HDV」投資のメリット
① 個別株の銘柄分析の時間がない人や、銘柄分析が苦手な人が投資しやすい。
② 経費率が0.08%で超安い。
③ 不況局面に強い。
① 銘柄分析のメリット
・高配当株と言えど、個別株投資の基本は、分散投資で、最低でも10~15銘柄位、保有するのが鉄則です。
しかし、それを、個人で保有し、管理するのは、簡単なことではありません。
その点、HDVは、財務優良企業約75銘柄に、分散投資されているのが嬉しいです。
また、自動的に、芳しくない株をファンドから外したり、いい銘柄があれば組み入れてくれ、至れり尽くせりです。
したがって、日々の生活で、銘柄分析の時間が作れなかったり、また、銘柄分析が苦手であっても、安心して投資できます。
しかも、その経費率(コスト)は、0.08%と超安いです。
② 経費率が0.08%で超安い
・経費率0.08%とは、10万円投資しても、年間で、たったの80円です。
「この格安さ!どう思いますか?」
自分で、銘柄分析する手間暇を考えると、驚きの価格だと思います!!
・経費率の価格は、自分の運用資金から抜かれていくので重要です。
株式投資の年平均リターンは、3~5%とも言われています。
その中から、2%とか3%とかの経費(コスト)が、抜かれたら、いくらも、運用益が残らないです。
場合によっては、プラスなのに、運用コストを引かれることで、マイナスのリターンになることもあります。
③ 不況局面に強い。
「HDV」のメリットとして外せないのが、不況局面に強いことです。
上述した表の通り、現在の景気後退局面において「S&P500」に対してはもちろん、高配当ETFの3銘柄でも、いちばん株価のパフォーマンスがいいです。
その理由は、不況局面に強いセクターをしっかり組み入れているからです。
上位3セクターは「ヘルスケア」「エネルギー」「生活必需品」ですが、下の表からも、今の「HDV」強さがうかがえます。
暴落局面では、「S&P500」などのインデックス投資のみでは、精神的にキツイですが、安定的な配当が見込める「HDV」を持つことの安心感は、大きいです。
また、組み入れ銘柄には、25年以上、連続増配の「配当貴族」銘柄や、50年以上、連続増配している「配当王」銘柄などです!
主なところでは、
59年連続増配・・・ジョンソン・エンド・ジョンソン
59年連続増配・・・コカ・コーラ
51年連続増配・・・シスコ
38年連続増配・・・エクソン・モービル
34年連続増配・・・シェブロン
など。
「HDV」投資のデメリット
① 配当利回りが、他の高配当ETFに比べ高くない。
② 値上がり益が少ない。
③ 減配のリスクがある。
① 配当利回りが、さほど高くない。
「VYM」「HDV」「SPYD」の3つの、代表的な米国株高配当ETFの比較です。
全体的な傾向で、直近10年程、米国株が好調だったため、配当利回りは、さほど高くはありません。
さらに「HDV」は、年初来の株高や、減配などにより、配当利回りは下がりました。
また、配当金(分配金)に、現地課税10%と、国内課税20%の二重課税を考慮すると「VYM」の場合、受取時は、配当金3.19%から、約2.3%まで下がってしまいます。
(外国税額特別控除で多少戻りますが…。)
利回りのみ追求するなら、日本の高配当株を含め、個別株投資の方が、しっかり銘柄選定すれば、4~5%の配当金は期待できそうです。
(上述した通り、銘柄選定などの手間はかかりますが…。)
超長期では、S&P500インデックス程の値上がりは、期待できませんが、堅実な値上がりも期待できるのは魅力です。
② 値上がり益が少ない。
高配当株の企業の特徴は、これからグングン拡大成長する企業ではなく、ある程度、成熟した企業がい多いです。
なので、企業の利益をどんどん新規事業などに投資するのではなく、配当金として株主により多く、利益還元しようとする特徴があります。
それ故、上述した「S&P500」程の、株価の値上がり益は期待できません。
③ 減配のリスクがある。
高配当株にとって減配は、なによりもイタイです。
実は、昨年、年単位で減配してしまいました。
そして、今期も、3月、6月の2回、減配しているので、相当、厳しい状況です。
「HDV」は、年4回の銘柄入れ替えを行っていますが、高配当銘柄が、財務健全性の基準などで、ETFから除外されたのが大きな要因です。
まとめ
米国高配当ETF「HDV」は、投資初心者や、個別株の銘柄分析の時間が少なくしたい人に向き。
「HDV」高配当ETFなので、S&P500など、市場全体に投資するインデックス・ファンドには、超長期的なリターンは劣る傾向。
「HDV」は、配当金(分配金)が、そこそこ狙える、景気後退局面や、不況局面に強く、財務安全性の高い、コストが格安なETF。
最後に
・最後まで読んで下さり、本当にありがとうございます。
・米国高配当株ETF「HDV」について、今回の内容はいかかだったでしょうか?
・現状「HDV」は、株高による割高感や、減配などで、買いにくいですが、優良ETFであることには、間違いないです。
・今後は、定期的に、内容を最新のものにアップデートしながら、リライトし更新する予定です。
・老後など、豊かな未来のために、これからも、共に学んでいきましょう!
・そして、この記事が、読まれた方の、投資などの参考になれば嬉しいです。
・質問、感想、ご意見、ご要望、そして、批評(酷評歓迎です)などあれば、コメントお願い致します。
【参考記事】
米国高配当ETF『VYM』(2022年8月版) - 『タクドラたみ』
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